粘度計測の原理

回転粘度計は液体の広い範囲(「ニュートンの粘度法則」に従う「ニュートン液体」)の粘度計測に使用することができる。

 

回転粘度計の実用装置の概要

計測容器内の検出用素子を回転させ、回転素子に作用する回転力を測定する。
基本的には、いずれの粘度計も蒸留水及びJIS規格等の粘度較正用標準液により較正して使用する。

回転粘度計の粘度計測理論

[ 構造・構成 ]

外筒(半径:r1)が回転でき、内筒(半径:r2)が既知のねじり定数:kを持つピアノ線で吊った構造の同心二重円筒で構成される。

[ 粘度計測 ]

試料の液体を同心二重円筒の中間の高さ:hまで入れ、外筒を角速度:ωで回転させると、液体の粘性のため内筒が回転し、内筒に働くトルク(torqueM)とピアノ線のねじり力が釣り合ったところで静止する。

この時の内筒の回転角:θとすればトルク:M = kθ となる。

液体の粘度:η

  

C

  

M

C  

  

θ

ω

ω

 

粘度計の定数:C

  

  

1

 - 

1

)

π

r11

r22

 

ねじれ定数…一端を固定した線の他の一端を1回転だけ“ねじる”に必要とするトルク(torque : M


粘度指数 ( viscosity index ) 

油の粘度が温度によって変化することを示す表示法の一種

事例:
   VI = ( ( LS100 ) L-H )x 100

   S100 : 試料油の100°F (37.78℃) における粘度

L :210°F (98.89℃) において、試料油と同じ粘度をもつ「ガルフ・コースト産潤滑油」の100°F (37.78℃) における粘度。
H
210°F (98.89℃) において、 試料油と同じ粘度をもつ「ペンシルベニア潤滑油」の100°F (37.78℃) における粘度。

 

VI = 100 :「ペンシルベニア潤滑油」と同様の粘度の温度変化を示す油の意。
VI = 0
:「ガルフ・コースト産の潤滑油」と同様の粘度の温度変化を示す油の意。

 

粘度指数が大きい油ほど温度による粘度の変化は小さいことを示す。
  事例;自動車用のモービル油は VI = 60以上
     飛行機用は、 VI = 80以上

 

記載内容については性能向上のため予告無く変更することがありますのでご了承下さい。